非常識なまでに明晰なる頭脳で世界の医学界にその
名を知られる若き天才医師・水瀬隼人。
ある日彼は、最愛の「妹」とデートをしている最中、
「妹」と一緒にトレーラーの暴走事故に巻き込まれてしまう。
隼人自身は瀕死の重傷を負い、そして最愛の「妹」は……。
病院のベッドで目覚めたとき、
隼人が真っ先に気にかけたのは「妹」のこと。
だが。
「妹? なんのことだ?」
病室に居合わせた者たちのあいだに広がったのは動揺。
「なにをいっているんだ、隼人。おまえに妹などいるものか。
おまえは一人っ子ではないか」
どうやら自分に「妹」がいたというのは、
事故の後遺症による脳内妄想らしい。
周囲の者は、皆、そう主張した。
そんなことはありえない!
俺にはたしかに「妹」がいた! と、憤る隼人。
そう、
…砂糖と塩をまちがえた手作りチョコを、
毎年バレンタインに贈ってくれた「妹」が。
…お小遣いを借りたいときだけ、いつもの三倍増し
優しくなる「妹」が。とはいえ貸してやっても、
一度も返してくれたことのない「妹」が。
…誕生日のプレゼントが「一日デート券」だった「妹」が。
…「尊敬する人」というテーマの学校の課題(作文)で
「父」ではなく「兄」と書いてくれた「妹」が。
…一緒にお風呂に入って背中を洗ってくれた「妹」が!
たしかに存在していたはずなのだ!
だが隼人が「妹」のことを口にするたび、周りは隼人を哀れむような
目で見るばかり。
あの事故で「妹」は死んでしまった。
ただ俺にショックを与えまいとして、皆、口裏を合わせているに
ちがいない!嗚呼、俺のせいで「存在」を否定された可哀想な「妹」よ!
否、それとも「妹」がいたというのは本当に、俺の脳内妄想なのか?
まあ、どちらでもいい。
「妹」が実在していて事故で死んだのならば、「甦らせる」!
脳内「妹」で俺が異常なだけなのなら、それが異常でない状態を
「創り」だせばいい!
かくて隼人はその天才的頭脳と叡智を駆使して「妹」の
「再生(創造)」に着手する。
天才ゆえの狂気と執念を触媒に──
チベットの秘境シャングリラに伝わる禁断の秘伝書“反魂の書”と──
最新の現代医術を融合し──
隼人はついに「妹」再生/創造装置[e-mote system]──
処女の女の子ふたりから得た「卵子と破瓜血と絶頂愛液」
を基調にして「(脳内)妹」を甦らせる(創りだす)という──
究極の死者再生システムの開発に成功する!
そして、桐山ひよこ&若槻つばめというふたりの
「卵子と破瓜血と絶頂愛液」
提供者を確保するや、隼人はいよいよ「妹」の再生(創造)を
開始したワケだが……!?
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